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黒い羊効果について整理しておく

黒い羊効果とは、社会学の用語で「自分が所属する集団(内集団)とそれ以外の集団(外集団)における成員を評価する際に、内集団の優秀な成員は特に高く評価され、逆に内集団の劣った成員は特に低く評価される」という傾向のことである。

心理的に解釈すると、自分の集団に大きく貢献できる有能な人物を持ち上げて、この人物を組織の「顔」とすることで集団の優秀性を再確認し、また、集団の足を引っ張る劣った人物を排除し、集団から切り離しを行うことで集団の優秀性を確保する、といった行動を通じて、「こんな優秀な組織に所属してるオレすごい!」と自らの集団的自尊心を高揚させるのが目的なんだろう。

黒い羊効果では、評価を下す者の集団への帰属意識が強いほど、この傾向が強く表れるそうな。

具体的な例を挙げると以下のようなものがあるだろうか。四天王の一角が倒されたときのこのセリフ。
「xxxがやられたようだな・・・」「フッ・・・奴は四天王の中でも最弱・・・」
これなんかはまさに黒い羊効果に該当しそうだ。主人公に倒されてしまった弱いxxxを四天王から切り離すことで、四天王グループの面子を保ち、さらに残された三人の凝集力はより高まるのだ。

さらに、最近流行のネトウヨの人たち行動にも黒い羊効果が見られるかもしれない。テレビでよくやっている「日本すごいですね!」という番組。あれは視聴者に日本人の有能さを提示することで「日本スゴイ=俺スゴイ」といった愛国心の高まりや自尊心の高揚を掻きたてる仕組みになっているのだろう。あと、ネトウヨの人たちが低所得者生活保護者に対して辛口なのも、黒い羊効果の表れかもしれない。経済にコミットする能力の低い弱者を「自己責任だよ」と切り捨てることによって、社会的下方比較による自尊心を高まりを感じたり、ネット上での「我々」の凝集力を高めて不安感を払拭しようとしてるのかも。