自己複雑性が低いやつは精神的に脆いらしい
複数の社会的アイデンティティを持っている人間(自己複雑性が高い人間)は、ネガティブな出来事に直面したときにダメージが小さい。
自己複雑性が高いと、ネガティブな出来事が起きて自分のアイデンティティと関連するある自己の側面が傷ついても、その影響が他の自己の側面に波及しにくく、残された自己の側面によってそれを補償することができる。
例)
・仕事で評価されていない人が趣味の分野で活躍して認めてもらう。
・被差別的な扱いを受けている人が宗教を心の支えにする。
逆に単一の社会的アイデンティティしか持っていない人間(自己複雑性が低い人間)は、ネガティブな出来事に直面したときのダメージがでかい。
自己複雑性が低いと、ネガティブな出来事が起きて自分のアイデンティティと関連するある自己の側面が傷ついてしまうと、それが自分の尊厳に関わる脅威的な出来事であると感じてしまう。自分を構成する唯一のアイデンティティを守るのに必死になり、逃げ場をうまく作れず深く悩みこんでしまう。
例)
・仕事一筋の人間が、仕事がうまくいかなくなりうつ状態になってしまう。
・社会的地位を自分の誇りとしている人間が、立場を失脚して命を絶ってしまう。
上記のように、多様な社会的アイデンティティを持つことは基本的にいいことだけど、社会的アイデンティティの数が多すぎて、特にそれが互いに不調和であるとき、役割葛藤や役割過負荷を引き起こして悪影響となることがある。互いに調和がとれた、適切な数のアイデンティティを持つことが精神的健康にとって大事、らしい。